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第 66 話

へんなデザイン

[今回の書き手]へんな優さん
2018.04.01

わたしの名前は、「へんな優」です。
沖縄へ嫁いで、いただいた名前です。
漢字で書くと「平安名」。
「へんな優」へんな苗字ですね。

親戚の小学生 さーくーが、「なんでわたしに『へんな』って名前付けたの!」とお母さんに怒っていました。学校でからかわれたみたい。
この先、まだよく知らない大勢の人の前で自己紹介をしないといけないときや、
素敵な人に出会って、名前を聞かれたとき、
「へんな」苗字は、いつもつきまとい、試練は続く...のかも。

でもね、さーくー、
「へんな」ことは、そんなに悪いことではありません。
「普通」があって、それと違うという点で「へんな」ものが浮き上がりますが、
「普通」なんていうのは、ありません。
その時だけ、その場所においてだけ、数が多い、というただそれだけのこと。
なんの価値もありません。
そして、「へんなのー」と言う人は、それに初めて出会って、今まで知らなかっただけ。
「へんな」は、新しい様子、変化、刺激、イノベーション。
今までになかった「へんな」ものが生まれて、数が増えるとだんだん「へん」じゃなくなって、普通になって、もうつまらない。
そしてまた、新しい「へんな」ものが生み出される。
それが文化で、ほんものは生き続け、大半のものが消費されていくのでしょう。

そして、さーくー、
「へんじゃないこと」「みんなと同じであること」「普通」と戦うことを忘れないでいたいね。
「みんなと同じ」そこには何の価値も意味もないのに、学校に行くと、それを一番大事に思ってしまいます。社会においても同じです。
でも、人に「へん」だと言われても、みんなと同じようにできなくても、
自分で考えることを絶対にやめないで、心の中で戦っていきたいね、と思います。
わたしは「へんな」子どもで、それを隠したり、ちょっと出したり、爆発させたり、いろいろしながら大人になりました。
子どもはみんな「へん」だよね。それがとてもおもしろくて大好きです。
そして、わたしの周りには、そのまま「へんな」おとながたくさんいて、こちらもとてもおもしろくて、目が離せません。
「へんな」人が「へんな」まんまで、心地よく生きられる社会が素敵だね。
「へんな」人の「へんな」考えが、世の中をキラキラ輝かせるものの原石だったりするね。
「へんな」こと、万歳!

「へんな優」の「へんなデザイン」。
一般的にそうであっても、それでいいのかを、考えます。
依頼してくださった方と一緒に「普通」と戦い、社会のためになる「へんな」ものを届けたい。
そして、ひょうきんな方へと目指して、日々、進んでいきたいと思います。
だっふんだ!


作品1_touca_card_parts_ura.jpg

作品2_machiomoi_pc_omote.jpg

作品3_henwata.jpg
イラストユニット「へんなわたるとゆうかわせ」はじまります
※右のイラストは、かわせわたるさん画

へんな優さん
へんな優Henna Yu

へんな優
アートディレクター・デザイナー
http://hennayu.com


1983年 香川県生まれ
2003年~ 大阪のデザイン事務所に勤務
2010年 沖縄移住
2014年 独立
広告、CI、パンフレット、書籍、雑誌、パッケージ、などを中心に
企画・ディレクション・デザインを行っています。
イラストも描きます。刺繍もします。
オリジナル雑貨も販売しています。

次回の書き手は
石橋彰史さん

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