第 65 話

道草散歩

[今回の書き手]奥原佐和子さん
2018.03.01

小さいころの私は、人見知りで親の後ろに隠れている子。
すぐに泣くので、なちぶーさーわー(泣き虫さーわー)と呼ばれるほどでした。

こんなエピソードがあります。
私の通う幼稚園に当時世界チャンピオンの具志堅用高さんが来園。
記念撮影したことがありました。
背が低いから一列目の具志堅さんの隣に座らせられた私。もじゃもじゃ頭で髭の怖そうなおじさん、有名な人なんて分からないものだから、泣きべそかいて自ら一番後ろの列に移動したのでした。
無理矢理ともだちの間に入ったものだから顔半分しか写ってないし・・・残念。
今、思えばもったいない話です。

そんな私が二十数年後アートイベントを主催、クリエイティブな仕事をするなんて、昔の私を知る人は驚いたかもしれません。

十代後半から二十代初め
たくさん失敗し傷ついて、自信も夢中になれることも無く、胸の奥がモヤモヤした日々。
そんな時、親友が地元のマラソン大会でみごと完走!
彼女の走る姿がキラキラかっこ良くて、勇気をもらいました。
本当に感動して。自分もマラソンに出ようと決心。
マラソンと水泳がこの世で苦手なことベスト3なのに、その一つを克服出来たら変われそうで。
スポーツクラブでアルバイトしていたのもあり、周りの先輩や友人のアドバイスで練習をかさねタイムギリギリで初マラソンを完走!本番まで連続10キロも走ったことが無い状況で奇跡的な事でした。
苦手なことをやり遂げたことで、自信がもてるようになり。その後いろんなことにチャレンジするようになりました。
数年後、2001年から2011年まで「カイナアートフェスタ」というアートイベントを開催。構想から開催に至まで多くの人の支えや出来事がありました。未経験で始め奮闘したあの時のエネルギーはすごかった!!(笑)

絵描きとして歩み初め20年、現在イラストだけではなく、オリジナル雑貨を制作、イベントなどの空間デザインや装飾、宮城県南三陸町歌津の「うたつのポストくん」のキャラクターデザインし絵本の絵を担当、毎年歌津夏まつりへ参加することが楽しみです。

楽しい嬉しいと思えることを尊敬する人達と仕事ができる今のスタイルは自分らしい。
Sawanico(さわニコ)の活動名は少しでも笑顔になってもらえたらとの思いでつけました。仕事もプライベートもてくてくゆっくり1歩ずつ。遠回りもしたけれど、おかげで素敵な人にたくさん出会えたし、無駄におもえたことが今にいかされている。少しでもふるさと沖縄の元気に役立てられたら嬉しいなぁ。

道草散歩大好き なちぶーさーわー。

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奥原佐和子さん
奥原佐和子

沖縄市出身。イラストレーター、アートディレクター。

大好きな沖縄やハワイの植物や文化をテーマとしたイラストを多く手がける。CDジャケットやポスター、空間のデザイン装飾、オリジナル雑貨制作。2001年から2011年まで県内の若手アーティスト発表の場『カイナアートフェスタ』アートイベントを立ち上げる。

https://www.sawanico.net/

Instagram sawanico3025

次回の書き手は
へんな優さん

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