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第 43 話

ありがとう 沖縄そば

[今回の書き手]金城太生郎さん
2016.03.03

食堂を始めて9年目。
そば専門店であるがゆえ毎日コツコツと沖縄そばを作り続ける。
おじーになっても続けていたいなぁ。
嫁さんもオバーになっててもやしのひげを取りながらレジをこなす。
そんな平和で平凡な老後をイメージしています。

両親の離婚をきっかけに中学校入学と同時に母の出身の東京に移住。
まだウージ畑が多かった旧具志川市からコンクリートジャングル東京での生活。
垢ぬけた大都会と復帰前の町並みが残る沖縄。憧れと拒絶とが入り乱れていた。
ジグザグに生きてきた自分にサブリミナル的に現れる沖縄そば
僕とオキナワを繋いでくれていたのは沖縄そば。

君はどうするの?どう生きて行くの?
目標もなく何気なく生きてきた自分に問いかけるオキナワ。

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お店は自分でも手を入れました

結婚を機に、何かに突き動かされて
ある意味色々なものをなげうって沖縄と再会した10年前。
沖縄とは少年時代と同じ無垢な気持ちで向き合っている。
「なにもない」自分として。
もしかしたら僕の武器は「なにもないこと」
長所をあげるとしたら「やる」こと。実行力!?勉強中!?
意外と普通でしょ。
若い時は普通になることに臆病にもなっていた。
妻の一言には救われることも多い。
普通に飯食って行ければいいじゃない!
ああそうだ!何を背伸びしているんだ!
家庭では、たまに出る杭を打たれ(笑)
一人では生きて行けない愛おしい気持ちになります。

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お店の外観

最近は農業と食のセッションがたまらない。たかが食堂でも毎日課題の山。
外国産に頼っている沖縄そばの原料小麦を沖縄県産にしちゃったらどうかな?とか。
そば一杯の自給率向上、地産地消、農薬・・・なんだやりがいあるじゃん!食堂!

たとえば
「沖縄そばは沖縄の小麦を使わなくてはならない。」
こんな新定義どうでしょう?!

そんな日が来る事を夢見たりしています。

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お店の自慢の沖縄そばです

2016年4月、店舗2度目のリニューアル。なんだか毎年慌ただしい!
自分自身「遠まわり男」と自負。とりあえずやらないと気が済まないタチ。
遠まわりの輪は少しずつ小さな輪になってきたかな?!
なんだか自分の店に自分が育てられてきたかのよう。
最近は全て周りに居る人のお陰だなぁと痛感させられています!
明日も無事お店が開店できる事を願って!
ありがとう「沖縄そば」。

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沖縄で育つ麦

2016年5月15日第2回おきなわ小麦ヌーヴォー開催します!
日本一早い小麦の収穫祭!
沖縄県内で栽培された有機栽培小麦の収穫を感謝する祭典!
恩納村ふれあい学習センターでお待ちしています!
金月そばは「県産小麦十割そば」を出品します!


●金月そば
http://kintiti.ti-da.net/
〒904-0302
沖縄県読谷村喜名201
Tel 098-958-5896
営業時間/11:00~15:00(日曜日 11:00~16:00)
定休日/月曜日

金城太生郎さん
金城太生郎Kinjo Takiro

うるま市出身 農家に生まれる。
17年の東京生活を経て沖縄に移住。
沖縄そばを幅広い観点から試行錯誤をし2008年金月そばを立ち上げる。
沖縄麦(穀物)生産組合の農家さん達との出会いから
沖縄県産小麦に着目し、100%県産小麦そばを提供。
2016年4月に恩納村に2号店開店予定。

金月そば 代表
沖縄県小麦(穀物)生産組合 監査

次回の書き手は
近藤逸志さん

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