第 41 話

余白

[今回の書き手]仲村盛隆さん
2016.01.01

あけまして、おめでとうございます。 大晦日から元日。年を越すという感覚は、
単に『日付が変わる』という、いつもの毎日とは
やはりちょっと違って、大きくリセットされるような
新鮮な気分になります。

あたらしいカレンダーや手帳をひろげて感じる、
まだ記されていないたくさんの余白への
希望に満ちたあのワクワク感...

もちろん、「好きだから」の理由に他なりませんが、
『白いうつわ』にたいする、私の中での思いは、
そんな『余白』を感じる感覚に近いかもしれません。

例えばプレートのような平たい面は、描く前のキャンパスのように、
そこに、どんな食べ物が盛られるのか?
そんな「使われ方」へ思いを巡らせたり
または、初めは同じ白でも、
それぞれ日々の暮らしの中で時間と共に
いつしか異なる風合いの白へと、
うつわが変化していく様を想像することだったりという
未来へと思いを巡らせたり。

白いうつわだけを作り続けて、もうかれこれ8年近く。

いつしか「余白」は、日々の暮らしを楽しむ
ことの始まりである、というような感覚を意識するようになりました。

そんな風に白に『こだわる』のでは無く、
むしろそれを『楽しむ』ことに気持ちが向かってからは、
ジャンルの枠をこえた作り手と一緒に
お仕事をする機会も自然と増えました。

その出会いはまた、新しい創作のアイデアを
掴むきっかけになったりもしています。

まだ記されていない、たくさん余白の多い
みなさまの新年が素敵な毎日になりますように。


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仲村盛隆さん
仲村盛隆Moritaka Nakamura

ecco(デコ)代表
deccoは夫婦による創作ユニット名。
2007年より首里駅の近くで磁器の白いうつわを制作・販売しています。

次回の書き手は
山㟢明央さん

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