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第 40 話

沖縄を描く

[今回の書き手]ナカハジメさん
2015.12.01

絵を描いています。

が、... デッサンとか、バランスとか
「正確」が存在しない
いびつな線の絵です。

でも、好きな絵は?
そう聴かれたら
迷わず答えます。

「ナカハジメの絵です。」

おかしいでしょうか?
でも、いいのです。
ボクの熱狂的ファンはボク。

制作中は一人ワクワクして、「キター!!」って
真夜中のアトリエで小躍りします。

最初はコトバとコトバ
それらを膨らませ 物語にして描きます。
迷いなどありません
何せ好き勝手に想像して描くわけだから。

ただ...描く上で... 
手強い相手がいます...
「沖縄」です。

ボクの作品には 「沖縄」がありません。
苦手なのですね 「沖縄」を描くことが。

はて? 考えてみる
決して 仲が悪い訳ではない... はず。


ボクがキャピュレットで
沖縄がモンタギューという訳でもない...。

なのに なぜ?
ココロに尋ねてみる。


痩せっぽちの青白い少年が
家の中でジーっと
絵を描いたり、本を読んだり。

あ、ボクが居ました。
あ、思い出しました。

ボクをとりまく沖縄、
長く暑い夏にギラギラの太陽
潮風に青い海......
それだけじゃない、もっとある!
シーサー、チャンプルー料理、ヘチマにゴーヤー...

はぁ...全部苦手だったのだ。
思い出した。
当時のボクには魅力感じず...
苦手意識をもったまま
大人になってしまったのだ。

そうなんだ。
なんだかバツが悪くて
今さら「沖縄」を描くことに
ためらいを感じていたのだ。

現在43歳、今からでも遅くはない。
幸いボクには
沖縄好きの友達がたくさんいる。
レクチャーしてもらおうか!
いやいや、それだけじゃダメだ。
自分で研究してみよう!
沖縄をもっと掘りさげてみよう!

そうすれば、きっと描ける日が来るのだ。

あ、いや、まてよ...
沖縄と向き合うそれ以前の問題...
いびつな線、デッサンとバランス...
精進しなければ。

正確に描くこと
正確に知ること
正確に研究する、作品も沖縄も。

うーん...「沖縄を描く」は
まだまだ遠い...のかもしれない。

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ナカハジメさん
ナカハジメHajime Nala

1972年石垣市生まれ。宜野湾市育ち。
妄想好き。妄想のハナシを日々描きためた落書きや
シルクスクリーン、銅版画などと組合わせて平面作品を制作。
グラフィックデザイナー・タナベユウヘイ氏とのユニット「しかく舎」としても
活動中。
また、那覇市牧志にてBAR「ソカロカ」を運営。

お問い合せ:hajimenaka☆yahoo.co.jp(メールを送る際は☆を@にしてくださいね)

次回の書き手は
仲村盛隆さん

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