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第 39 話

私にとって沖縄は。

[今回の書き手]戌亥近江さん
2015.11.01

はじめまして、こんにちは。
那覇市壺屋で「プラヌラ」という漫画喫茶のようなカフェを営んでいます、
戌亥と申します。

沖縄には8年前に引っ越してきましたが、一番よく聞かれるのが
「なぜ沖縄に移住してきたのですか」という質問です。
この質問を受ける度に 「沖縄の鮮烈な日差しと綺麗な海に衝撃を受けました!」とか、
「温かい人柄に触れて本当の自分が見つかりました!」とか、かっこいいことが
言えなくていつも困っていました。

観葉植物もまともに育てられないし、海もちょっと遠くで眺めてる方が好き、
蚊も嫌い冷房大好き、なので、田舎暮らしには向いてない、
沖縄で一番好きな風景が「電照菊」という具合です。

では、なぜ沖縄なのか?と8年間住んで考えた結果
「私にとって沖縄は親友である」と云うことでした。
沖縄に恋焦がれて愛してる、ではなく、親友。

どこが好きなの?と聞かれてもうまく答えられなくて
「理由はわからないけど大好き」で、
いい時、悪い時、どんな時も変わらずそばにいて
一番居心地がよく自分の素が出せる相手。
そんな存在なんだな、と思います。

春になれば満開のソメイヨシノも恋しくなったりもするけれど、
もうすぐ私の大好きな電照菊の季節がやってくる。

親友、これからも末長くよろしくねとの想いを馳せながら、粛々とケーキを
作り紅茶を入れる、そんな私の毎日です。

●カフェ プラヌラ
那覇市壺屋1-7-20 ☎098-943-4343

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戌亥近江さん
戌亥近江Chikae Inui

1972年滋賀県生まれ。滋賀ゆえに「近江と書いてちかえ」と四文字熟語のような名前をつけられる。
13年間税金の徴収というお堅い仕事をしつつ、内緒で大好きな飲食業のアルバイトをし、8年前に沖縄に移住して「Cafeプラヌラ」をオープン。
気負いのないお店づくりと「愛のある」メニューを目指しています。

次回の書き手は
ナカハジメさん

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