1. TOP
  2. エッセイのリレー
  3. オキナワがホームタウン
第 35 話

オキナワがホームタウン

[今回の書き手]小倉英三郎さん
2015.07.01

この8月、オリエンタルホビーが10周年をむかえる節目に
大切な沖縄のお友だち、麻子さんから
リレーエッセイのバトンをもらいとてもうれしいです。
大切なバトンをつなげるようがんばりますので、
ちょっとだけお付き合いください。

さて営業の内容が分かりづらい屋号なので、
まずはオリエンタルホビー(以下オリホビ)のご紹介です。
オリホビは知る人ぞ知る、というか本当に知っている方しか知らない
マイナーのカメラ用品店です。
DPEでもカメラ店でもないので、残念ながらプリントサービスはなく、
カメラも売っておりません。

私、店長小倉がドイツや米国、アジアのカメラショーに
足しげく通って見つけたり
仲間を通じて出会ったりした個性的なカメラバッグ、
カメラストラップ、そしてデジタルカメラ用カスタムパーツなどの
カメラ用品をネットショップで販売している会社です。

銀座のカメラ屋さんで働いた東京から、
沖縄に移住して1年を過ぎた2005年の夏、
個人商店の開業を夢みて、
手持ち資金いっぱいのアメリカ製カメラバッグを輸入したのが
オリホビの始まりでした。

海外から突然届いたカメラバッグにアパートを占領され、
当初家族はかなり困惑していたようです。
ただこのドンケというカメラバッグ、当時大流行していた
インターネットオークションで販売してみるとなかなかの売れ行き。

最初の輸入から半年ほどして、ネットの収入がお給料を超えたころ、
コールセンターの仕事を辞めて専業でネットショップを始めることに。
当時介護士だった妻ミッチャンも間もなくオリホビに仲間入りします。
気候と風景に魅かれて移り住んだ沖縄で、自分のお店を持って、
家族4人の暮らしを立てることへの期待が大きくふくらんだ時期でした。

輸入カメラバッグのネット通販で始まったオリホビは、
今もスタッフ3人の小所帯ですが、現在はアメリカやマレーシア、カナダの
カメラ用品メーカーの輸入代理店をしたり、
お隣の島、台湾は台中の企業と
オリジナルカメラ用品ブランドKOGENを立ち上げたりと
少しずつ仕事の内容に広がりが出てきました。

創業からあっという間の10年間。
中学入学のときに沖縄移住した長男は大学卒業後、県内で就職し、
大学4年生の長女は現在東京で就職活動中です。

振り返れば仕事と子育てでいっぱい、いっぱいの10年でしたが
なんとか続けてこられたのはオキナワと家族、そして仲間のおかげです。

この7月も上海のカメラショーにカメラ用品を探しに出掛けますが
東京や海外に出張して疲れても、帰る場所が沖縄で
そこに家族や仲間がいると思えば気持ちが喜びます。
那覇空港に降り立つと甘く、湿気の多い沖縄の空気に迎えられ、
ホワリと肩の力が抜けるようです。

沖縄に暮らすと生きる力が充電されます。
大好きな沖縄はオリホビのホームタウン。
これからはもっと地元沖縄のカメラファンに使ってもらえる
カメラ用品店を目指して次の10年も、
ここ首里、沖縄からユニークなカメラ用品をご案内します。

●オリエンタルホビー
http://oriental-hobbies.com/

●大城さとし先生作画の「4コマオリエンタルホビー」も大好評連載中
http://oriental-hobbies.com/fs/camera/c/manga

kazoku.jpg
2004年、移住したころの家族写真。
このアパートからオリエンタルホビーは始まりました。(撮影:富山義則)

tainan.jpg
2014年10月、台中にて。
台湾の仲間とオリジナルカメラ用品ブランドKOGENを立ち上げました。

oonaka_office.jpg
今年(2015年)5月まで8年間お世話になった首里大中町のオフィス。
緑いっぱいでとても気持ちの良い場所でした。

gibo_office_mae.jpg
儀保駅から徒歩2分。首里儀保町のオリエンタルホビーでお待ちしております!

小倉英三郎さん
小倉英三郎Eizaburo Ogura

1967年 小倉長英、祥子の3男として東京に生まれ神奈川県鎌倉市で育つ。
1989年 米国遊学中、美術館で見た写真作品群に刺激を受け、カメラを購入、撮影を始める。
1994年 キャノン写真新世紀で[家族の日記]が荒木経惟さんに優秀賞に選ばれる。
1995年 未来社より写真集[家族の日記]が出版される。
2004年 カメラマン、カメラ用品店勤務を経て、東京から沖縄移住。
2005年 写真用品専門店オリエンタルホビーを立上げ、現在に至る。

次回の書き手は
櫻井伸浩さん

おすすめ記事

ページトップへ