おいしい泡盛を飲みに行こう③「店主のこだわりを感じる、とっておきのラインナップ 」
沖縄で泡盛を味わうなら、店主のこだわりが詰まった個性豊かなお店を訪れてみたい。
泡盛をおいしくカジュアルに楽しめるようにと県内各地の泡盛のソーダ割を提案する人気の居酒屋に、琉球料理と古酒をしっぽりと味わえる老舗酒場。
そして何百種類ものマニアックな泡盛が集められた隠れ家的バー。
どのお店も、ちがった角度から泡盛を楽しむことができるから、きっともっと泡盛の魅力に触れられるはず。
小桜
沖縄の新定番、「Aボールで乾杯!」
中山亮さんは、那覇市牧志で創業69年を迎える老舗居酒屋の3代目。老舗とはいえ堅苦しいのはなし、老いも若きも愉快に飲んでもらいたいというスタンスだ。ドリンクメニューには、入手困難な泡盛を除く県内酒造所の42銘柄や古酒をはじめ、県内で造られているジンやラムまで幅広く扱っている。なかでも、アメリカ統治時代の「Aサイン」を模したグラスで提供される「泡盛の炭酸割り=Aボール」が一番人気。また、先代から受け継いだソーメンチャンプルーや〝ミソピー〟などの伝統の味と、ポップな沖縄料理の両方を「深貝工房」のやちむんで楽しめるのも魅力。一部の料理はハーフサイズから頼めるので、おひとり様でも気兼ねなく入店できるのがうれしい。
小桜
沖縄県那覇市牧志3丁目12-21
☎︎098-866-3695 〈Instagram〉kozakuraokinawa1955
民芸酒場 おもろ
硬派な老舗酒場で、琉球料理と古酒をしっぽり
1953年の創業当時、ウイスキーを出す店が多い中で「琉球の酒を大切にしたい」と泡盛を出すことにこだわり、詩人の山之口貘や陶芸家の金城次郎など、多くの著名人に愛されたことでも知られる名店。現在は桜坂から壺屋に移転し、4代目の新垣亮さんが店を切り盛りしている。カウンターや椅子、棚などは創業当時の面影を残したまま受け継ぎ、民芸の心に触れられる場となっている。泡盛は貴重な古酒を含め常時40種類以上を揃え、伝統的な酒器「からから」と「ちぶぐゎ」で提供される。また、食事は、琉球料理を中心に旬に合わせたメニューが味わえる。なかでも田芋の滑らかな口当たりと出汁の旨味が沁みる「どぅるわかしー」は一押しの一品だ。
民芸酒場 おもろ
沖縄県那覇市壺屋1-6-23サンライズ通り知念ビル1F
☎︎098-959-8358
BAR TASTING CLUB
コンセプトは、いろんなお酒を味見して楽しむ部活
一歩足を踏み入れると、泡盛「太平」の限定シリーズがずらっと並んだ棚に圧倒される。それだけでもマニアックな雰囲気。600本ほどあるお酒のうち、泡盛が8割ということで、ここでしか飲めない甕貯蔵の古酒や販売終了になっている泡盛など貴重なものも多い。「いつも飲んでいるものじゃなくて、色んなお酒を味見してみてほしい」と店主の儀部さん。泡盛好きも泡盛は初めてという人も、どちらも楽しめるお店だ。
BAR TASTING CLUB
沖縄県那覇市泉崎1-12-4 マラカイト泉崎ビル4-A
☎︎090-4900-5691 〈instagram〉bartastingclub
Photo:G-KEN、大城亘