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第 73 話

沖縄と居酒屋と「人」。

[今回の書き手]川野良蔵さん
2018.11.01

やっぱり自分でやりたいとおもった。
沖縄の人、そして沖縄を訪れる人、ぷらっと入ってきて「楽しかった!また来るね。」と
残してそれぞれの場所に帰って行く。そんな呑み屋を自分でやりたい。

「店にどうやって客を入れるのではなく、どうやって帰ってもらうか。」

そんな言葉を昔、読んだ本で知った。

ぼくが「一軒目」という店やって6年目になります。
勢いだけで東京から移り住んで沖縄料理屋で。
当時、牧志公設市場周辺には昼から呑める居酒屋が全然ない頃でした。
つまりは、昼から呑むという文化があまり無かったのかも知れません。

店をやるにあたりたくさんのエリアを歩いてまわりました。
そして公設市場あたりをみたとき街の風景、街のにおいに惚れたぼくは
この場所でやろうと決めましたが、なにせ昼呑み屋なんか全くない。
やる気より不安だらけの中オープン。当然かもだけど最初は入ってきませんでした。

「あんた、昼からやってもだれも呑まんよ。」

市場の人に言われたこの言葉は、今もわすれられません。
ちなみにその人は、今、店の常連さんですが、、、。笑

ある店でいい言葉を見つけました。

「スープは鶏ガラ、お店はひとガラ。」

ほぉ、なかなかいい言葉だ。
商売は「人」。
ぼくのこの先ずっと続いていくテーマかも知れません。
オープン当初は、ひとりぼっちでしたが今は、ファミリーと呼べる仲間もいます。
有り難いことだ。こんなぼくに関わってくれている方々に感謝の気持ちは、常に消えません。

「また来たよ!」

何度聞いても嬉しくて励みになるコトバですね。
6年目、まだまだ、これから突っ走っていきます!
まだまだ人に愛される人間になりたい。
そしてまだまだこの島を、この街を愛し続ける人間でいたいとおもいます。


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一軒目
〒900-0014
沖縄県那覇市松尾2-9-15
098-868-7117

川野良蔵さん
川野良蔵KAWANO RYOZO

昼呑み居酒屋 一軒目 店主。
鹿児島県鹿児島市出身。

次回の書き手は
光増紫乃さん

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