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第 53 話

わかむん(若者)への唄

[今回の書き手]吉川将大さん
2017.01.01

時は師走。国際通りにネオンやクリスマスソングがちらつき始める時期に、
私は石垣島で、ある撮影に臨んでいた。

日本列島の最南端に近いこの離島では、まだハイビスカスが咲いている程の陽気だったので、
その撮影は、緑の芝生が生い茂る、ある別荘の庭で行われた。

私は石垣島や沖縄本島を拠点としながら、世界中を飛び回る生活をしている。
収入の大半はインターネット上での取引や広告で、
平均的に月収数千万円という売り上げを立てる事が出来たので、
所謂成功者を訪ねるという趣旨のインタビュー撮影という話が舞い込んできたのだった。

この撮影は、私がずっと叶えたいと思ってきた夢が実現するチャンスだった。
何故なら私が世界に飛び出して成功しようと思った理由は、
若い世代の日本人に憧れて貰いたかったからだ。
そういう存在になる事で存在感や発言力をつけられるので、
若い世代が私に耳を傾けてくれるだろうという思惑があった。

そこまでしてまでも若者に伝えたいメッセージは、
彼らが今後の少子高齢化社会を支えていく為には、リスクを負ってでも挑戦が不可欠で、
それを恐れてはいけないという事だ。

先日沖縄では『世界のウチナーンチュ大会』が開催された。
沖縄の地を遠く離れ世界に散ろうとも、チムグクルを忘れるどころか、
その魂を2世3世にも継承しているウチナーンチュが一堂に集い、
誇りを持ってカチャーシーを踊る姿を見て、
これこそが今の日本の若い世代が持つべき責務だと再認識した。

グローバル化の波は加速している。
そんな中、若い日本人が持つべき責務は、世界と競争するよりも共存の道を選ぶ、
いわばゆいまーるの精神に則った選択肢を模索していく事だ。
しかし若者が積極的に起業をしたり、海外に活躍の場を広げたり、
挑戦を出来るような環境を整えることが出来るのは、私達大人に他ならない。

だからこそ大人が資金力や余裕、そして国家に対しての愛を持ち、
次世代に継承していくべきだというメッセージを伝え、撮影は終了した。

もしかしたらこの記事を読んでいる貴方にも、
ネット上のどこかで私のインタビューを目にする日がくるかもしれない。
そんな日がもし来たら、一人の男の叫びが貴方にも届いたことになるので、
良かったら私のメッセージに耳を傾けてみて頂きたいと思う。

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今回受けたインタビューでの一枚

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世界のウチナーンチュ大会の様子

吉川将大さん
吉川将大Yoshikawa Masahiro

14歳で心臓病を患い、死にかける。15歳で単身渡米。
4度の退学処分の末行き場を失い17歳でホームレスとなる。
飛び級でアメリカの大学を卒業。帰国後、営業の道を歩む。
現在は沖縄を拠点に世界中を飛び回りながら、
若者に向けてメッセージを発信している。

次回の書き手は
加藤圭介さん

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