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第 31 話

もっともっと間違えてみたら?

[今回の書き手]浅野太輝さん
2015.03.01

「もっともっと間違えてみたら?」

僕が授業中に何度も使う言葉。
しかし、沖縄の子ども達にとって「間違える」ことは
言うほど容易いことではないらしい。
算数のテストでも国語のテストでも解答には空白がたくさん。

「どうせ空白はバツだろうから、好きな漢字や数字でも書いてみなよ。」

それでも中々に難しい。

実は僕自身も失敗が怖い子どもだった。それもつい最近まで。
そんな僕が偉そうに「間違えてみたら?」と言うのは恐れ多い気もするが、
今では僕自身が「思い立ったら、10秒考えて行動」のリズムで仕事や勉強を楽しんでいる。
失敗が怖かった僕がこうなった理由。それは1冊の絵本にある。
その題名は「考える練習をしよう」。
本屋さんで目に止まった青い表紙の1冊。ふと最初のページを開いたのが7年前。
今でもこの1冊は教室にあり、毎日生徒の誰かが読んでいる。
すべての内容をこのコラムの中でお伝えするのはもったいないので、少しだけ。

「生きるための知識<中略>それはまず、
子ども自身がまなびたいと感じることからはじまる。
とくべつな道具はいらない。いま自分がいるその場所が出発点だ」

何度失敗したっていつでもそこは出発点。
もし上手くいけば出発点よりも1歩2歩と前に進み始めることが出来るかもしれない。
「失敗すると大変だ!」と、僕たちはいつの間にか思い込んでいるのかもしれない。
そんな思い込みの方が大変だ!

そして、僕は毎日アサノジュクの教壇に立つ。
限られた時間の中で生徒らに伝えたい想いは1つ。
「自分の可能性を信じること。」
一度間違えたって、もう一度立ち上がることが出来る自分だろうか?
一度間違えた後は、次の新しい考えが浮かんでくる自分だろうか?
何度も間違えた後に、やっと本当の想いに出会えるのではないか?
僕自身にも、そして生徒らにも毎日この言葉を問いかけ続ける。

「もっともっと間違えてみたら?」

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開校直前イベントに多数の保護者の皆様がご参加。
アサノジュクの想いと方針を伝える大切な時間でした。

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定期試験直前の生徒達。1回1回の試験をこなすのではなく、経験す ることに価値がある。

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保護者会の際の様子。学習塾は生徒だけのものでなく、家族の皆様で 参加してもらう必要がある場所。

浅野太輝さん
浅野太輝Taiki Asano


浅野 太輝(あさの・たいき) さん

アサノグループLLC代表、アサノジュク塾長
1987年兵庫県神戸市生まれ。10年前、大学進学を機に来沖。
2014年4月、浦添市に「いっしょに考える塾 アサノジュク」を開校。
「何のために勉強するのだろう?」と沢山の生徒らと共に毎日考え続けてる授業を展開している。
http://asanotaiki.ti-da.net/

次回の書き手は
喜納忍さん

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