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第 17 話

だいたろうのおはなし

[今回の書き手]仲村大輔さん
2014.01.01

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僕が4歳だか5歳の頃に書いた一冊の絵本があります。
タイトルはだいたろうのおはなし。
きっと自分を主人公に仕立ててヒーローになりたかったんだはず。
最初のページを開くとこう書いてある。

だいたろうとぱぽぴぴ(なる生き物がいてこのページ以降は登場しない)は
きのうえにとまってみているよ。
なにをみてる?

次のページをめくりたくなる、そのワクワクする出だしに
30年前の我ながらにしてイイ感じ。笑。
でもその後は深く考えてるわけでもなさそうで
色使いが多彩だったり
テンションが落ちたのか
途中で消したまま終わってるページがあるかと思えば
怪獣と闘って勝って、ハイおしまい。
分かりやすい気ままな性格って
この頃から一緒なんだと妙に納得。
本人だから当たり前か!

東京から沖縄に帰ってBACARというお店を開いて5年。
最初の2年は無休営業。ワーカホリックである。
多少の意地を張ってたのはいま認めるところ。
休日を取るようになってからは開放感がもくもくと膨らみ
「空間が欲しい」とスタッフを巻込み
ラブラッチョなるお店を作り運営実験し
現在は個人アトリエ兼裏部屋として
寝泊りするという働くホームレスを実践中。

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イベントに誘われると「移動式の薪窯トラックを作ろう」と
これまたスタッフやら周囲の方々まで巻込み
イベント開催20日前の午前3時の飲みの席で決まっ たこのプロジェクトは
製作期間わずか2週間という奇跡を起こした。
さすがに心身共に擦り減らしたこの経験は涙こそ出なかったけれども
それはそれは感動。

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それからはまた人生初骨折やら薪騒動という
ハンマーで殴られたかのような出来事もここぞとばかりに周囲に助けられ
「骨折展」という社会復帰を果たすも
「じゃ!」とヨーロッパ遊学一ヶ月の旅。

翌年も旅は続き
ハワイに行けば「フリフリチキンマシンを作ろう」と製作し
ニューヨークに行けば
「これからの時代は店は構えるもんじゃなく動くもんだ」と
帰国後すぐに意気揚々と路線バスを購入。
只今、改造中。

人生36年生。
未だに来年の自分が「なにをみてる」のか言い出すのかワクワクしているのである。

そう、だいたろうのおはなしは続いているのです◎

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2014年、だいたろうはどんな冒険をするのでしょうか?

仲村大輔さん
仲村大輔Daisuke Nakamura

1977年那覇市生まれ。
2008年、那覇市久茂地にてBACAR(バカール)オープン、2014年よりBACARのケータリングチーム、フードトラック&ベンダーサービスとして“The SCARPETTERS”(ザ・スカルペッターズ)始動予定。

次回の書き手は
山田哲史さん

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