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朝ランで生まれた出会いが新しい経験へとつながる

2024.03.26

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こちらは、2023年おきなわいちば VOL83「夜と朝の時間」に掲載された記事です。

 気持ちよく過ごすためにしていることって、人によっていろいろある。 例えば、きちんと朝ごはんを食べたり、ゆっくりと大きく深呼吸することを心がけたり、お風呂に少し長めに浸かったり。現在、自身のアパレルショップの開店準備を進めている新垣拓馬さんの気持ちのよい毎日のためにしていることは、早朝の海辺を走る朝ランだ。

「瀬長島を一周した後、すぐ近くのちゅらさんビーチまで走る10キロのコースが定番。 日課ではなく、月に100キロは走るとだけ決めています。雨が降っている日はお休みするし、今日も走りたいなと思ったら2日連続のときもあるし。 無理なく気持ちよく走ることが目標です」

 新垣さんが走り始めたのは8年前から。福岡でセレクトショップのバイヤーをしていた頃で、太ったらおしゃれな服が似合わないと思い、走ることにしたのだそう。中高大学とサッカー部だったから走ることには抵抗がなく、当時は、九州最大の繁華街である天神から大濠公園までの約7キロの距離を週3回ほど疾走。朝ランのルーティンは沖縄に戻ってからも続けていて、自宅近くの瀬長島だけでなく、元勤務先だった北谷で走ることもあったという。

「走るときに見る風景って、僕にはとても重要で。朝しか見られない風景に出会えるのがうれしいんです。斜めに放射される太陽の陽射しやきらめく水面は、本当に美しい。また、すれ違う外国人が多い北谷は異国情緒にあふれ、テンションがあがりますね」

 今回は、撮影のために海だけでなく公設市場周辺でも走ってもらった。いつもとは違う景色を新垣さんは楽しんでくれたようだ。

 走るというのは、基本的に一人でやる行為だから、ランの間は強制的に一人の時間だと話す新垣さん。

「走りながら自分と向き合っている気がします。ほぼ無心ですね。音楽やラジオを聴いているときもありますが、イヤホンなしで、風や波の音を感じているときが多いです」

 また、走りがきっかけで、飲食店スタッフや映像クリエイターなど、いろいろな業種の人たちと知り合えたことは予想外の幸運だったと笑顔を見せる。

「たまに一緒に並走することがあるのですが、走りながらの会話って、実はすごく楽しいですよ。 同じ方向を見て、同じ速度で走っているからでしょうね。 同調しているって感じで、とても心地がいいんです」

 その輪が広がり、ランニンググループ 「ikism (イキズム)」のメンバーになったと新垣さんが教えてくれた。イキズムは「活き活きと自由に走る」をコンセプトとするクリエイティブランナー集団で、目標レースを決めて遠征したり、 オリジナルのランニンググッズを製作したり、また、スポーツシューズメーカーのイベントをディレクションするなど、趣味のランニングでさまざまなことを楽しんでいるのだそう。

「先日、メンバーと一緒に4回目となるフルマラソンに挑戦。 念願のサブフォー(4時間切り)を達成しました。 切磋琢磨する個人が時々集まって、チームとして活動するのは楽しい。 最近では、イキズムが協力して、渋谷の魅力や特色を活かした新しいランニングカルチャーの発信についてアイデアセッションが行われたそうです。走りながら観光を楽しむってユニークだなぁと感じました。 秋から冬にかけて、陽射しもやわらかで過ごしやすいから、 沖縄でもできるのではないでしょうか。"走る"という単純な動作ですが、 それを通して出会いが生まれ、思ってもみなかった経験を積んでいます。 走ることで、自分自身の人生が豊かになっていくのを実感しています」

新垣 拓馬
NƏW LIGHT
大学卒業後、九州を拠点にセレクトショップを展開するBAYBROOKに就職。8年間、店長兼バイヤーを務める。帰沖後、オーダーメイドのハットショップTHE FAT HATTER VISTA CLUBに勤務。帽子の製造や修理の技術を身につける。2023年10月に退職し、現在は自身がオーナーを務めるアパレルショップ『NƏW LIGHT (ニューライト)』のオープンに向けて準備中。2024年2月、 那覇市泊に開業予定。

〈Instagram〉takuma_arakaki 〈Instagram〉ikism_rc

新垣さんの「朝ラン」を紹介したYouTube動画はコチラ
https://youtu.be/ANPy3G2L5go?si=wgDhHeAUCg6FyVgj

  • 文・ 編集部編集部
  • 写真・G-KEN

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