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今日の私をとことん甘やかすおティーの時間

2024.03.26

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こちらは、2023年おきなわいちば VOL83「夜と朝の時間」に掲載された記事です。

 店の営業を終え、片付けや翌日の仕込みを済ませると、時計の針は夜の10時を指している。 普通なら、やるべきことを終えたからさぁ帰ろうとなるが、カフェ「雨のライオン」の白保侑那さんのお楽しみはここから。 疲れた自分をとことん甘やかして癒やしてあげる『おティーの時間』の始まりだ。

 まずは、湯を沸かしながらお気に入りのカップや皿を棚から取り出す。 紅茶かコーヒー、 どちらにしようかと考えながら、今日のお菓子を眺めると、差し入れでもらったマドレーヌと余ってしまった自家製チーズケーキ2個にお取り寄せしたビスコッティ3本というラインナップ。それならきっと紅茶が合いそうだと思い、 ティーカップをチョイスした。 そして、自分のためだけに丁寧紅茶を淹れて、お菓子をかわいらしく皿に盛り付けたらおティーセットの完成。それを店内の中でも特に気に入っている席に運び、いよいよ『おティーの時間』の幕が開く。「夜遅い時間にこんなに食べるのと周りの人たちからはびっくりされますが、スイーツが大好きなのでペロリと食べられちゃいます。 ドリンクを飲んでほっと一息ついて、それぞれのお菓子をゆっくり味わって食べて。そうすると、その日の緊張がゆるゆるとほどけ、自分自身に「今日もよく頑張ったからご褒美だよ」なんて心の中で声をかけていますね。読書をしたり、アニメを観たり、 愛犬のぺちたろうとたわむれたり、ぼぉーっとしたり。時間を気にせず、心ゆくまでおティーを楽しんでいるんです」

 そんな白保さんがおティーの時間を始めたきっかけは、インスタグラムで「おティー」という言葉を見つけてから。「名前をつけたら、なんだか愛着がわいてきて」と言い、SNSの投稿にはほぼ毎晩、 おいしそうなお菓子と飲み物の写真をアップしている。「自宅だと寝る前におティーの時間を過ごしています。 食べながらそのまま寝落ちできたら幸せだと思うけれど、それは我慢!」とお茶目に笑う。

 仕事でも趣味でもお菓子を見たり食べたりするけれど、好きでなくなってしまうことはないの?と聞いてみた。

「それが不思議とならないんです。よく食べるようになったのは2~3年前、 お取り寄せが流行った頃に買う機会が増えてから。 日持ちするので、自分の好きなタイミングで食べられるのも魅力のひとつですね。自宅の冷蔵庫には、焼き菓子専用のボックスがあって、そこにいっぱいストックしているんです(笑)。 冷やすことでキュッとしまった生地と、ひんやりと冷たい口当たりが心地良くて好きです」 と、少し照れながらこだわりを教えてくれた。

 それにしても白保さんは、心からおティーの時間を満喫している。「『おティーの時間』は、楽しくておいしいことはもちろんですが、 アップデートする時間でもあるんです。お菓子屋さんがつくったお菓子を食べて『同じ食材なのに、こんなにおいしくなるんだ』とか『こう使うんだ』なんて気づいて、自分のお菓子づくりに活かすこともしょっちゅうです。 甘やかしたり、学んだり、そんなことをしながらきっと自分自身を整えてあげているんだと思います。 私がつくるお菓子が食べる人の日常に寄り添い、食べることで嬉しくなったり、ちょっと元気になってもらいたいと思っています。 その人の背中をそっと押してあげる、 そんな優しさを感じられるお菓子がつくれたらと。だからこそ、つくり手である私が毎日ご機嫌じゃなければ、おいしいお菓子をつくれないはず。そんなことも含めて毎晩、おティーの時間を楽しんでいます」

白保 侑那
雨の日ライオン
北谷町にあるカフェ「雨の日ライオン」で、お菓子づくりを担当。 中でもチーズにメープルシロップを加えたクラシックチーズケーキと、紅茶やチョコを使ったグラノーラは人気でリピーターも多い。昨年からは「うさぎの日々。」という屋号でイベントに出店し、ほぼ焼き菓子や花を販売することも。個人のインスタグラムでは、ほぼ毎日「おティーの時間」を投稿している。
〈Instagram〉shiraho.y

白保さんの「おティーの時間」を紹介したYouTube動画はコチラ
https://youtu.be/j61Eky_-WBo?si=K_Lk-YC0plLPXFLl

  • 文・ 編集部編集部
  • 写真・G-KEN

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