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【月曜日のてしごと】赤嶺学さん

2023.04.10

【月曜日のてしごと】
赤嶺さん.jpg

作家さんの作品を紹介するシリーズ第4回目は、陶芸家の赤嶺学さんです。

「お久しぶりです」って個展でお会いする度に作風が少しずつ変化している赤嶺さん。

磁器の土を使った真っ白な器から、陶土を組み合わせたゴツゴツした器まで。どこか有機的で近未来を感じさせるような世界感にどっぷりハマってしまって、気づけば食器棚には、様々な作品が並んでいる。

自転車のオブジェを作っていた頃も好きだけど、昨年りうぼうの個展で発表していた真っ白なシンプルなデザインに、ぐっと心を掴まれた。さらにそれ以上に心をくすぐったのが、ヒビ割れをデザインとして落とし込んだ花器。ヒビの入り方が荒々しくなく、すごく繊細なところに惹かれてしまった。
自然な感じで入ったヒビってなんでかっこよく感じるのだろう。また少し離れたところから赤嶺さんの器を眺めると、どこかの惑星にある森や、近未来の街に見えるから不思議。是非試してみてほしいなぁ。

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「おきないちば80 号(沖縄のいいものにて掲載)」
赤嶺学

"ゆらぎ"や"ひび"を楽しむ、アートな磁器

沖縄では珍しくガラス質を多く含んだ磁器で独自な世界を表現する赤嶺学さん。白地でやわらかいフォルムはまるでクリームをかけたようで愛らしい。
「最初は陶器の土でろくろを挽いていましたが、どうしても均一なカタチになってしまうのが悩みの種でした。そんなときに友人からもらった磁器の土でろくろを挽いたところ、きっちりと挽いているはずなのに歪んでしまいました。陶器の土と比べてやわらかくコシがないのが理由だと思いますが、そこにおもしろさを感じました」
それ以来、磁器でつくり始めた赤嶺さん。シンプルなデザインからスタートした後、オブジェとうつわを融合させたようなアートよりの作品など、作風を変化させていった。
「手探り状態の中、色々試すのは楽しい時間でしたが、最近ようやくですが、つくっていて気持ち良く感じるカタチが見えてきたような気がします」と話す赤嶺さんが昨年の個展で発表したのは、装飾をしないシンプルなフォルムのカップ。
「いろいろ変遷を経て原点に帰った感じですね。でもシンプルにすることで一番みてほしかった、口の "ゆらぎ"に光を当てられたのはうれしかった」
その一方で、表面にひび割れを入れた花器は新しいシリーズとして力を入れている。
「実はこのひび割れですが、15年前に一度だけ偶然生まれて、それ以来何度試しても再現できませんでした。でもあるときに、ぱっとつくり方がひらめき再現できました。ひとつひとつが木のようにも、建築物のようにも見えて、並べると森や近未来の街っぽく見えたりしませんか。そんなところも楽しんでいます」
単体ではなく、複数のうつわを並べることでイメージが沸き起こる。そんな使い手の想像をかきたてるものづくりを大切にする赤嶺さんが、次に生み出す世界をみてみたい。

CAP
マットな質感にこだわった、両手で包んで使いたくなるカップ。ひび割れが表情をもたらす花器はモダンな空間にも調和する。

Profile
沖縄県生まれ。沖縄県立芸術大学で陶芸を学び、浦添市に窯を構える。岩や石、建築物、ペンキのひび割れなど、日常の風景からインスプレーションを得ることも多い。ひび割れの入った花器や、来年のグループ展で発表する予定の水盤の制作に打ち込んでいる。

Photo:G-KEN


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  • 文・ 草々草々
  • 写真・G-KEN

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