「本で出合う、さらに深いコーヒーの世界」のこぼれ話
おきなわいちば78号で、映画、本、音楽、時間、道具の5つの視点で、コーヒーの魅力を紹介した「コーヒーを楽しむ5つのこと」。その中の「本で出合う、さらに深いコーヒーの世界」でご登場いただいたのは、Mokha Coffee Okinawa,の知念孝多さん。イエメン産コーヒーとネルドリップをこよなく愛するコーヒー屋です。WEBでは、本誌では紹介しきれなかった知念さんの魅力を紹介します。
イエメン人のバイヤーから直接豆を仕入れているという知念さんに、イエメン産コーヒーの魅力を聞いてみると、「歴史にロマンを感じるところですね」と教えてくれました。実は、コーヒー豆の輸出は、イエメンのモカという港町から始まったといわれているのだそう。コーヒーというと、私にとってはエチオピアとかブラジルのイメージが強かったのですが、イエメンがコーヒー文化発祥の地といわれていたことは、初めて知りました。
そしてもうひとつ、知念さんといえば、ネルドリップ。使用するネル(布)は手作りするというこだわりぶりです。銀座にある老舗のカフェ・ド・ランブルの関口さんの淹れ方をリスペクトしていて、実際にお店に足を運んで、お弟子さんからネルの切り方、縫い方、淹れ方を習ったこともあるといいます。
そんな知念さんが挙げてくれた本は、カフェ・ド・ランブルの関口さんが書いたネルドリップに関する本やコーヒーを科学的に検証した海外の書籍、知り合いの教授が書いたイエメンの文化に関する本、などでした。(詳しくはおきなわいちば78号を見てくださいね!)絶版になっているものもあるそうですが、古本屋をたくさん巡って手に入れたそうです。
美味しいコーヒーを淹れるために研究に研究を重ねる知念さん。「知念さんにとっての美味しいコーヒーとは?」と聞いてみると、「誰かが淹れてくれたコーヒーがいちばんですよ」とのこと。知念さん曰く、「自分が淹れると研究対象になってしまって...(笑)。コーヒーって誰かが淹れてくれたものを、好きな人と一緒に飲むのがいいんじゃないですかね。私がコーヒーを淹れる時も、主役はあくまでもお客さん。セールスポイントを伝えるのではなく、個人の感想を大切にしています」。究極の一杯を淹れるために徹底的に向き合い、勉強してきた知念さんが行き着いた答えを垣間見た気がしました。
「Mokha Coffee Okinawa,」は現在、店舗は準備中なので、オンラインやProotsさんでコーヒー豆の購入が可能です。イベント時は知念さんが淹れたコーヒーを飲むこともできますよ。ぜひ、インスタをチェックしてみてくださいね。
Mokha Coffee Okinawa,
〈Instagram〉mokhacoffeeokinawa