1. TOP
  2. いろいろ取材記事 / くらし / おでかけ
  3. アートアンドクラフトが手がける、消えゆく外人住宅の新しいカタチ

アートアンドクラフトが手がける、消えゆく外人住宅の新しいカタチ

2022.11.28

Mid-Century House YOGI-facade.jpg

古くなった建物を取り壊さず、次世代に受け継ぎ活用していくことに力を入れている「アートアンドクラフト」。過去には、アメリカ統治時代に建てられた古びたモーテルを全面改修し、アメリカのロードムービーに登場するようなおしゃれな空間に生まれ変わらせ、注目を集めた。

そんな「アートアンドクラフト」が今回新たにリノベーションしたのが、アメリカが沖縄を統治していた時代に建てられた平屋のコンクリート住宅だ。

当時沖縄で暮らしていたアメリカ人向けに建てられた住居で、沖縄では「外人住宅」という愛称で呼ばれている。半世紀経った今も、レトロな佇まいは人気があり、住居や店舗などに利用している人も少なくない。

「外人住宅は1950年代後半から1960年代にかけて建てられたものが多く、中には築70年を超える物件もあります。建設から半世紀以上が経過しているので、解体や建替えが急速に進んでいますが、私たちは、外人住宅を沖縄の文化のひとつだと考えています。取り壊すのではなく、現代の生活に合わせた住みやすい空間にリノベーションをして、住まいや宿などに利用してほしい」と話すのはスタッフの森岡さん。

そこで今回は、「アートアンドクラフト」が始めた外人住宅再生プロジェクトの第一弾となる、沖縄市与儀の家を訪ねた。

Mid-Century House YOGI-living room.jpg

1967年に建てられたとは思えないスタイリッシュに生まれ変わった外人住宅は、見た目だけではなく住みやすさを考慮して、見えない部分にも手が加えられている。例えば、一部に欠損が見られた躯体コンクリートは補修がされ、特殊な繊維シートでコーティングしている。また、漏電の心配があったため電気の配線を交換。給排水やガスの配管も全て新しくした。

Mid-Century House YOGI-BR.jpg

Mid-Century House YOGI-kitchen.jpg

Mid-Century House YOGI-bathroom.jpg

一方で、間取りは外人住宅の良さを生かして変更はしておらず、内装もシンプルに仕上げている。インテリアは、建築当時のミッドセンチュリーな世界を意識して、アンティークな家具などを配置。また、照明を使った空間づくりに定評のあるバナナコンセプトの仲宗根さんが、外人住宅に合わせてベッドルームやリビングなどの器具をチョイス。キッチンもタイルを貼り替え、明るい雰囲気となった。

この与儀の住宅は、今後は、民泊や撮影用のハウススタジオとして活用していく予定とのこと。興味がある人は利用してみてはいかが。

DATA

アートアンドクラフト沖縄事務所

https://www.a-crafts.co.jp/aboutus/okinawa/

  • 文・ 草々草々

おすすめ記事

ページトップへ