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YANBARU HOSTEL ―訪れた人が成長できる場所に―

2020.06.05

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 国頭村ののどかな地域・辺土名にあるYANBARU HOSTEL。ひと際目立つコンクリートの建物は、この小さな集落に不思議なほどに溶け込んでいた。取材で訪れて感じたのは、長い歳月この場所で時代の移り変わりなんかを見てきたんだろうなということ。

 築46年の廃業したホテルをリノベーションしたというYANBARU HOSTELは、外見はすこし古びたようにも見えるけれど、中へ入ると、どこか知らない国へタイムトリップしたような感覚に。至るところにアメリカやイタリアなどのビンテージ家具や雑貨が置かれ、見事なまでにこの建物と調和していて、他にはない雰囲気をかもし出している。

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名前はホステルだけど、ここは単なる宿泊施設にとどまらない。「このホステルを、人々が集い地域が活性化していく『町おこし』の象徴にしたい」と語ってくれたオーナーの小山健一郎さんは、宿の枠を超えた取り組みを次々と行っている。例えば、この施設がオープンするときに、SNSで若者に協力を募って辺土名の海でビーチクリーンをし、拾い集めた廃品やゴミで大きなオブジェを作った。そしてきれいになった浜辺に、リサイクルのはぎれを繋げて作った大きなスクリーンを設置して、地域住民や来訪者に向けて映画上映会を開いたのだそう。

その他にも、小山さんのクリエイターやアーティストとしての能力を活かして、クリエイティブに興味のある学生へ向けたワークショップを開いたり、長期滞在する若者の事業開発を手助けしたりと、そんなことも?と驚くような小山さんならではのアイデアと行動が、YANBARU HOSTELを他にない存在にしていったのだと思う。それが「やんばる」に興味を持ってもらうことや、地域を盛り上げることに繋がっているのだ。

 今、「脱観光業」を掲げるYANBARU HOSTELは、旅としての滞在だけでなく、住居や、オフィス、テナント施設として、そこで過ごす時間が学びを得たり利用者の背中を押すという「場」に変化していっている。「訪れる人が成長できる場所」として、常に宿のいろいろな在り方を切り開いている。


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この6月、新型コロナウイルスが世界中にはかり知れないほどの影響を与え、今もまだ収まったとは言えない状況を踏まえて、YANBARU HOSTELはドミトリールームの完全個室化、ワーキング・プレイスペースは予約制とするなどの安全を配慮したプランを実施しはじめた。

時代に柔軟に対応しつつ、常に未来を見据えるYANBARU HOSTELは、今後どんなおもしろいことを展開していくのだろう。これからも、目が離せない。

information

住所:沖縄県国頭村字辺土名1429
電話:0980-41-2787
ウェブサイト:https://yanbaru-hostel.jp/
Instagram:https://www.instagram.com/yanbaru_hostel/

  • 文・ 編集部編集部
  • 写真・大城 亘

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