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沖縄だからこそ実現したモーテル。SPICE MOTEL OKINAWA

2020.06.05

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このホテルがオープンしたとき、その外観を見て「なんてクールなホテルなんだ!」と思ったのを覚えている。しかもキャッチコピーは「いつか観たロードムービーの世界へ」。モーテルの世界観ができあがっていて、ここに行けば映画のワンシーンのような瞬間が必ず味わえるはず!と確信できるほど、インパクトがあった。

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SPICE MOTEL OKINAWAの建物は1970年に建てられたものだ。今のモーテルに生まれ変わる前は、屋上に大きな「自動車ホテル」のネオンサインがあり、地元の人なら「あぁ、あそこね」と分かるような目印的な建物だった。でもいつから使われていなかったのか、かなり傷みがひどいのは外から見ても分かるほど。まさかこの建物がクールなモーテルに生まれ変わるなんて、昔の姿を知っている人は思いもよらなかったと思う。

オーナーの中谷さんによると、「モーテル」という言葉は、motor(自動車)とhotelが合体してアメリカで使われるようになったとのこと。時代は20世紀半ば、ミッドセンチュリー。当時、マイカーで訪れて宿泊するという、新しい旅のかたちが流行り出したのは、モーテルの誕生があったからといっても過言ではないほど、モーテルの誕生は人々の生活に影響を与えたのだそう。映画の舞台としてもたびたび登場したモーテルは、その時代の最先端だったんだろうなと思う。

そんな当時の"イケてる"モーテルを再現するとしたら、それは沖縄なんだろう、とおぼろげながら思っていた中谷さんが、それをSPICE MOTEL OKINAWAとして本当に実現できたのは、この物件との出会いがあったから。しかも立地的にも、沖縄県の中でもさまざな文化が入り混じる中部地域にあり、このエリアの空気感も含めて、"ここにしかない"と思えるものを作れると思ったのだという。
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まるで建物の声を聞くようにリノベーションを手がけた中谷さんは、活かせるものは極力そのまま活かしたり、アレンジして使うなどの工夫をした。それは例えば、モーテルならではと感じる、各部屋に車庫がついている1階の構造だったり(車を止めたらそのまま部屋へ入れる)、シンボルとも言える自動車ホテルのネオンサインをカフェのインテリアとして使うことだったり。建物に敬意を払うような姿勢があったから、本当にモーテルらしいモーテルができたのだろう。

リゾートで注目されがちな沖縄だけれど、ここに来ると、それだけじゃない沖縄、もっともっと奥深い沖縄を知るきっかけがもらえるような気がする。

◉SPICE MOTEL OKINAWA
 沖縄県北中城村喜舎場1066
 TEL:098-923-1066
http://spicemotel.com
 Instagram @spice_motel
 Facebook @SPICE MOTEL Okinawa
 Twitter @SPICE_MOTEL


photo by Yukiko Shiraki

  • 文・ 編集部編集部

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