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お気に入りの作家もの「emaの花器」

2020.10.01

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何かはわからないけど、とてつもなく素敵なものに出会ったぞ...!
というのが、私が初めてemaの花器に出会った時の感想。

大きなアーモンドのようなかたちのものと、白玉団子のようなもの。emaの作家のひとりである舞さんに「これは花器なんです」と説明を受けたものの、いったいどこにどうやって花をいけるのだろう...?と、謎は深まるばかり。でも、そのやわらかで思わず触りたくなる雰囲気に、一気にとりこになってしまいました。

emaは、石坂舞子さんと息子の咲さん二人によるものづくりユニットで、舞子さんは、おきなわいちば70号で紹介したやちむん作家「ツチノヒ」の石坂大受さんのパートナーでもあります。emaを二人でやることになったのは、舞子さんと咲さんが何気なく話しをしていた中で、一緒に作りたい、と咲さんが言ったことからだったとのこと。まだ小学校高学年の彼の意見を、単に子どもの気まぐれな発言とせずに、きちんと話をしてものづくりの仲間として接することを決めた舞子さんの姿勢は素晴らしいな、と思うのです。

「寄り添って、静かに呼吸をしているようなものをつくりたい」

これは、emaが作品づくりで大切にしていること。emaの花器は手触りがざらりとしていて、どことなく恐竜の肌(触ったことはないけれど)のような、卵のような質感。焼成の仕方でこうした手触りがうまれるとのことだけれど、どこか生き物を感じさせる雰囲気は、きっとemaのそうした想いが反映されているからなんだろうなと思います。

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実際にお花をいけてみると、器の雰囲気ががらりと変わるのも素敵でした。白玉型の花器には、沖縄ではあちこちに咲いているのを見かけるサンダンカの花を。くぼみに水を入れ、花をそっと浮かべてみたら「花器だ!」とあらためて感動。それまで手のひらでなでなでと可愛がっていたものが、急に仕事の晴れ舞台に立ったような不思議な感動がありました。

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もう一つのアーモンド型の花器にはドライのユーカリの葉を。これは、じつは壁掛けにできるように小さな穴があいていて、壁のフックなどに引っ掛けて使えます。野に咲く花をいけても可愛かったけれど、ドライのものともとても相性が良かったです。家に飾って、ふとした瞬間に目に入ったら癒されるなぁって思います。

一つひとつ、時間をかけてつくっているので大量生産はもちろんできないけれど、この不思議な生き物のような花器がとても欲しくて、我が家にもひとつ、やって来てもらう予定。どこに飾ろうかな。

〈Instagram〉
ema @ema21262126
ツチノヒ @tsuchinohi

  • 文・ 山山山山

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