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お気に入りの作家もの(ガラス工房ブンタロウの一輪挿し)

2020.08.21

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母の日は、毎年花束を贈るのがお決まり。だけど今年はちょっと違うものにしてみたい、と探していたところに出会ったのが、ガラス工房ブンタロウさんの作品だった。やさしくて透明感のある一輪挿しの、ころんとしたかわいらしいシルエットに、みごとに心を奪われた。


お店を訪れてみると、たくさんの作品たちが小さなスペースにずらーっと並んでいる。ふと目についたのは、小指の第二関節ほどのサイズの一輪挿し。ブンタロウさんの作品は、再生ガラスを使っているのだけど、廃ビンは冷めやすい性質があるのと、さらに少量のガラスで小さな作品を作るのはむずかしいのだそう。それでも繊細な曲線は見事で、小さくても凛としている姿が美しい。


こうやって一度役目を果たした廃ビンが生まれ変わって、新しい持ち主のもとへお嫁にいくなんて、すてきだな〜と心で思いながら、ひとつひとつ作品と目を合わせていく。まん丸の形のものもあれば、雫のような形をしたもの、ひび模様が施されたもの、うすくラインが入ったもの、実際に手に触れてみたらますますときめきが止まらない。

ひとつ置くのもかわいいけれど、サイズの違うものをいくつか並べてもかわいいし・・・と比べてみたり、どこに置こうかなと妄想なんかして、かれこれ40分近く悩んだ末、この子をおうちに迎えたい!とようやく5つを厳選。


あれれ?いつの間にか母のプレゼントというより、うっかり自分が欲しいものを選んでしまっていた。それから大事にうちに持ち帰って、「一緒に使おう」とラッピングされた箱を渡すと、母はすごく喜んでくれた。

今は、道端に生える草花や庭に咲く花をいけて、窓際に置くのが日課。小さな一輪挿しは、どんより曇り空の日でも、空間にふわっと優しい光をもたらしてくれる。


散歩をするたびに植物に目をやったり、母と一緒にああでもないこうでもないとおしゃべりしながら花をいける時間がすごくあたたかくて、最近は心に少しゆとりが持てるように。

この子たちがうちにきてから、ふつうの日常を彩ったり、なにげない日々を楽しめる新しいエッセンスを得られた気がする。



  • 文・ てるてるてるてる
  • 写真・平良 信実

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