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お気に入りの作家もの「よなは民具のクバの葉のほうき」

2020.07.22

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出会った瞬間、直感的に「あ、なんだか魅力的...」って、惹き込まれるようなオーラを持った人がいる。よなは民具の與那覇有羽(よなはゆうう)さんもその一人だった。

与那国島でクバやアダンを使って民具を作る傍ら、県内外でワークショップなどの活動もしている與那覇さん。その時は、島の特産品やグルメ屋台が並ぶ離島フェスタに参加するため、本島に来るとのことだったので、おきなわいちば68号「伝えること。」で取材をさせてもらった。

初めて見た民具はどれも素敵で、何より「どうやって作っているの?」という疑問で頭がいっぱいだった。そしてこのほうきを見つけた時には失礼ながら「これってインテリア?本当に掃けるんですか?」と質問していた。
「掃いてみたらわかりますよ」とのお誘いに、その場で実際に使ってみると、意外にもよく掃ける、掃ける!

聞いてみると、「民具は暮らしのなかで使うものだから使い勝手がよくないと意味がないんです。葉の曲がる方向や、持ち手の流木の形など、植物の優位性をよく考えて作っています」と教えてくれた。先人たちの知恵と工夫が詰まっている民具を伝え残さないのはもったいないと話す與那覇さんの目は笑顔ながらも真剣だった。

取材が終わる頃には、リュックにぶら下げていてそのまま購入して帰宅。掃除好きの母のいるわが家には、ほうきが3つに掃除機が2つもあるので、私の部屋のインテリアとして飾っていた。が、数日後。あれ?部屋にいない...

「この子、優秀でお母さんびっくり。汚れが溜まりやすい玄関掃き専用にしたよ」

居場所が玄関になって頻繁に使われるようになったほうきは、私の部屋のインテリアだった頃よりも、なんだか嬉しそうに見えた。

そういえば、一緒に取材に行ったカメラマンさんもペットの犬用にと、ウブル(水汲み)を買っていたな。ワンちゃんの反応がどうだったのか、今度聞いてみよう。

  • 文・ こぶたのスーこぶたのスー
  • 写真・平良 信実

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