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おうち時間を楽しむ3冊の本(58編)

2020.06.19

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「本棚を見れば、その人がわかる」なんてよく言いますが、猫かぶりの私は自分の本棚もApple Musicのプレイリストも誰にも見られたくない、と常々思っています。だって、すっぴん見られるみたいで恥ずかしいんですもの。今回の企画でも、おしゃれな本や恋愛小説なんかも候補にあげたのですが、編集長や編集部メンバーから「あ、これはよそ行きネ!」と却下されました。そして、最終審査を勝ち残った選ばれし精鋭たちがこちらです。

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まず1冊目は、三島由紀夫「仮面の告白」。三島の自伝的小説と言われていて、同性愛がテーマにもなっている作品です。昭和24年の作品で当時はかなりセンセーショナルだったと思うのですが、大学生の私にとってもショック大バーゲンでした。主人公が幼少期に汚穢屋(糞尿汲み取り人)に対して憧れを抱く描写がとても美しくて、頭の中に画として残っています。作品もそうですが、筋肉鍛え過ぎちゃったり、映画主演して主題歌うたっちゃったりする三島由紀夫の人となりも魅力的で、よくも悪くもあの「熱」には否応無しに惹かれてしまうのです。ちなみに、蝋人形館のふんどし三島先生は、一見の価値ありです(※東京タワーの蝋人形館は2013年に閉館。あの蝋人形たちはどこにいったのでしょうか・・・)。

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「輝け!日本崖っぷち大賞」(1998年刊)は、みうらじゅん、泉麻人、山田五郎、安斎肇の4人による共著で、サンデー毎日に連載されていた座談会企画をまとめたもの。毎回テーマを設けて、そのテーマに関する「常識」「非常識」な知識をあげていき、「ちょうど真ん中=崖っぷち」を決めるという内容です。この4人が集まっているので、面白くないわけがない。会話のリズム、博識ぶり、くだらなさ、どれをとってもお見事です。第1回のテーマは「沢田研二」、大賞は「岸部兄弟」でした。花の女子高校生だった私は、サンデー毎日が学校の図書館に並ぶ日の放課後が毎週楽しみでした。友人4人と、セルフ崖っぷち大賞を開催したのも覚えています。ちなみに、イズミン(泉麻人)がこの連載中にシングルCDを出したんですけど、タワレコで予約してゲットしました。カップリングの「レラ」が名曲です。時々聴きたくなるのですが、8cmなんだよなぁ...。

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3冊目は「ロックとコザ」。実はこれ、沖縄市資料集として沖縄市が発行したもの。会社にはいろいろな市町村史があるのですが、編集部の山山さんが「58ちゃん絶対コレ好きだよ!」と勧めてくれて手にした一冊です。山山さんの中で、私はどんなキャラなのでしょうか。エニウェイ、1994年発行ですが、「え?これ書いていいの?」っていうような内容が普通に載っています。なので、すごくリアルで楽しい。沖縄市長の挨拶の書き出しがまたいい。「ロックミュージシャンの生活誌をお届けします」...え?いいの?届けていいの?初っ端から困惑しますが、沖縄を代表するロックスターたちの赤裸々なインタビューは歴史的にも価値があるんじゃないかなと思います。願いが叶うなら、70年代にタイムスリップして当時の音楽を生で観たいなぁ。ちなみに、裏表紙にはなぜか小さくジュークボックスの写真が載っていて「ミュージシャンの感性をつちかった。」と書かれています。シュール。好き。

読書家というより「積読書家」なので、私のようなものが本を勧めてよいのやら...とも思いましたが、「あ!こんなのも持ってたんだ!」と、自分の本棚のカオス具合が割と楽しかったです。せっかくなので、内容忘れている本でも読み直そうかしら。

  • 文・ 5858

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