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おうち時間を楽しむ3冊の本(山山編)

2020.06.01

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本を読むのが大好きです。いつでも読めるように、車にも本を積んでいます。読むのは、小説はもちろん、エッセイや実用書、ビジネス書、啓発本(気が向いたときだけ)、写真集、絵本、ガイドブック(旅行の予定がなくても)、果ては辞書まで、なんでも。子どもの頃は大して本好きでもなかったんですが、大学か、留学したあたりから本の面白さを知った気がします。

本好きなので、この「おうち時間を楽しむ3冊の本」企画は、他の編集部員の記事を読むのがとても楽しみ。でもいざ自分のを紹介、となったら悩むだろうと思っていたのに、意外にもパッと目についたものを選んでしまいました。

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1冊目は、ミニチュア写真家でありアートディレクターの田中達也さんの「MINITURE LIFE2(水曜社)」。これ、1も持ってます。田中さんのことを知ったのは、沖縄の美術館での展示会がきっかけ。チケットをもらったのでなんとなーく見に行ったら、その着眼点の面白さや発想の豊かさ、柔軟さに「おぉ...」と圧倒されました。

田中さんが創り出すものは「見立てアート」とも呼ばれていますが、日常生活の身の回りのものを何かに見立てて、フィギュア(人形)と合わせて一つの世界を表現しています。例えば、料理に使うバットと網をプールに見立てたり、アイスキャンデーをプールの飛び込み台に見立てていたり。写真につけられたキャプション(説明文)がまた秀逸。シャレがきいていて、個人的にとてもツボです。

この本を衝動買いとも言える勢いで2冊まとめて買ったのは、今考えると、展示会に行ったタイミングがちょうど自分の発想力や企画力の乏しさを感じていたときだったからかも、と思います。今も企画に行き詰まると、なんとなく手に取ります。

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2冊目は、今の仕事になくてはならない、沖縄の知識を得るためのバイブルのような存在の「沖縄大百科事典(沖縄タイムス社)」。おきなわいちば編集部は、普段、本当にいろんな種類の仕事をしていて、企業のPRパンフレットや情報誌、周年に発行する記念誌のほか、ウェブでの観光情報記事やカレンダーまで、とにかく制作する内容の幅が広いんです。そうすると沖縄に関する正確な知識ももちろん必要で、そこで必ず登場するのがこの事典。

新人編集者だった頃、ウェブの情報に頼るのではなく、根拠のある出版物や公的機関が発表しているデータをもとにすることの大切さを先輩から教わり、その時にこの事典の存在も知りました。編集部に席を置いた先輩たちから受け継いで今に到るので、たくさん使われて背表紙はボロボロ、破けたページがテープで貼ってあったり、あちこちに修復のあとが見られます。でも、今もまだまだ現役。1983年に発行されたので、そろそろ改訂版が出ないかなーと、心待ちにしています。

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そして最後、3冊目は絵本です。加古里子さんの「かわ(福音館書店)」。この絵本は前から知っていて読んだこともあるのですが、これは特別版。「かわ」はもともと1962年7月に月間絵本「こどものとも」で出版されたのですが、60周年記念として出されたのが、この特別版です。

この絵本の何が楽しいって、絵本そのもののつくり。キャッチコピーに「絵巻じたて ひろがるえほん」とあるように、絵巻物のように広げていくと、ダーーーーーっと、とても長くなるんです。広げた時の長さは約8m30cm。特別版らしく箱に入っているのもプレミア感があります。そして、表も裏も表紙になっていて、どちらからでも読める構成になっています。一方は文字はなくて絵だけで読み進めていく構成。もう片面は文字もついています。

この本は、今年の2月に東京に出張したとき、夜、編集長とデザイナーと一緒に代官山蔦屋書店さんに行って見つけたもの。この絵本そのものもとても好きだけど、これを手にすると、3人で熱に浮かされたように夢中で本を見て回ったあの夜のことも思い出して、手放せない1冊になったなと思うのです。

  • 文・ 山山山山

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