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真夜中に作りたい 体に優しいプチットリュのスープレシピ

2024.02.09

 おきなわいちば83号「夜と朝の時間」の企画、「夜と朝を楽しむ10のこと」で紹介したスープのレシピは、フレンチレストラン「プチットリュ」を営む新屋健一さんご夫婦に教えてもらったもの。那覇市開南に店を構えるプチットリュは、沖縄県産の食材を使ったフレンチを県内の作家さんが手がけた器で提供するこだわりのお店だ。

 教えてもらったレシピは、どれも味付けはシンプルながら新鮮な食材の旨味がぎゅっと凝縮され、胃に優しく染みわたる。
「料理って、手間暇をかけたり、誰かのことを思ってつくると、それが食べる人にもちゃんと伝わると思うんですよね。自分のために作るものだってうんとおいしく感じるし、ちょっと特別な気分になれると思うんです」と健一さん。
 最近、お店で提しているコース料理の前菜にスープを出すようになってから、お客さんの反応に変化があったと話す妻の麻衣子さん。
「初めていらっしゃるお客様の中には、少し緊張した表情の方もおられるんですが、前菜に添えた温かいスープを一口飲むと、ふわっと表情がやわらかくなるのが分かることがあって。『おいしいね』と声をかけてくれたり、それをきっかけに会話が弾むことがあって、とても嬉しいんです。スープは人の心をそっとほどいて、食べる人とつくる人の距離を縮めてくれるような、そんな不思議なものがある気がします」。
 

 家族と過ごす夜、自分をそっと労わりたい夜、ちょっとだけ特別な夜更かしを楽しむ夜。過ごし方は人それぞれだけれど、そこに少しの手間をかけてつくるとっておきのスープがあれば、そのひとときはきっといいものになるはず。


県産きのこのヴィーガンスープ
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 干ししいたけの出汁と、フレッシュな県産きのこでつくるスープは、好みに合わせてきのこの種類や割合を変えてもOK。「いろいろなきのこを3種類以上組み合わせることで味の深みが増しますよ」と、健一さん。動物性食品を使っていないのでヴィーガンの人でも食べられ、きのこならではの食感とオートミールのプチプチとした食感が楽しめる。

 調理のポイントは、きのこはしっかりと焼き目をつけること。そうすることでスープにコクが出るのだそう。仕上げにオイルやハーブを加えれば、さらにグッと香りが豊かに。

[材料/2人分]
県産きのこ 150g
(しいたけ、えのき茸、ぶなしめじ、黒アワビ茸、エリンギなど)
干ししいたけ 1枚
水 500cc
玉ねぎ 30g 
オリーブオイル 適量(サラダ油でも可)
オートミール 大さじ1(インスタントタイプ)
島しょうが 少々
塩、こしょう 少々
スペアミント 少々

[つくりかた]
1. 干ししいたけは前日に500ccの水に浸し、冷蔵庫に入れ戻しておく。
2. 玉ねぎは薄切り、戻した干ししいたけの傘は1cm角に、軸はみじん切りにする。
3. 小鍋に、1の戻し汁と、切った干ししいたけ、玉ねぎを入れ火をつけ、沸騰してきたら弱火で10分加熱。塩、こしょうで味を調える。
4. きのこは1cm角に切り、オリーブオイルをひいたフライパンで中火で炒める。動かさずに焼き目をつけ、2/3の量になったら火を消す。
5. 炒めたきのこを器に盛り、オートミール、3のスープ(島しょうがを入れて温め直しておく)を入れ、ちぎったスペアミントを散らし、オリーブオイルを数滴垂らす。


美らキャロット(県産人参)のポタージュ アーモンドの香り
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 せっかくだから、金美にんじんや島にんじんなど、冬に旬を迎える県産の人参を使ってポタージュをつくってみたい。「ねぎと玉ねぎのダブル使いは、スープに甘みが出て、人参の香りと相まってさらに香り高くしてくれる大事なエッセンス」と健一さん。また、お米を使うことで、とろっとしたテクスチャーとお米ならではのほのかな甘みがプラスされるので、小さなお子さんでも食べやすい。

 仕上げに加えたナッツは、スープの味をより複雑にし、さらにアクセントにブルーチーズを添えれば、ちょっぴり大人の特別感を感じられるはず。このスープにお酒を合わせるなら?と麻衣子さんに尋ねてみたら、「シャンパンがおすすめ」と教えてくれた。

[材料/4人分]
美らキャロット 150g
玉ねぎ 50g
白葱 20g
バター 20g
水 400cc
生米 30g
ローリエ 1枚
アーモンドミルク(砂糖不使用) 50ml
塩、こしょう 少々
ブルーチーズ 適量
アーモンドスライス(ローストしたもの) 適量
クミンシード 適量

[つくりかた]
1. 人参(美らキャロット)、玉ねぎ、白葱は薄くスライスしておく。
2. 小鍋にバター、玉ねぎと白葱を入れ中火でしんなりするまで炒める。炒め終えたら、人参を入れて全体にバターをまとわせる。
3. 先ほどの小鍋に、水、米、ローリエを加えて弱火で15分煮る。途中でアクを取りながら、煮終わったら粗熱をとる。
4. ローリエを取り除き、ハンドミキサーでピューレ状になるまでしっかり混ぜる(フードプロセッサーやミキサーでも可)。
5. 4を鍋に戻し、アーモンドミルクを加えて温めなおす。塩、こしょうで味を調えたら器に盛り、ブルーチーズ、アーモンドスライス、クミンシードを盛り付ける。


鶏の手羽先と県産クレソンのポトフ風
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「玉ねぎ、人参、セロリ、にんにく、ローリエと、鶏のブイヨンをつくる時の基本的な材料を使っているから、多めに作っておけば生クリームを加えてクリーム煮にしたりパスタのベースにするなど、いろんな料理に活用できますよ」と教えてくれたのが、鶏の手羽先と県産クレソンのポトフ風。
 ポイントは、具材に焼き目を入れること。例えば玉ねぎは片面に砂糖をまぶして焼くことでキャラメリゼされ、スープを良い色合いにしてくれる。同じように手羽先も焼き目を入れるが、こちらも皮目の片面だけでOK。そうすることで鶏の旨みが程よくスープに移るのだという。ちょっとした一手間が、スープのおいしさをグッと引き上げてくれる。
 このポトフにお酒を合わせるなら、おでんのような感覚で、重めの白ワインや日本産の白ワインもおすすめ。

[材料/2人分]
鶏の手羽先 4本
玉ねぎ 100g
人参 50g
セロリ 50g
にんにく 一片
クレソン 50g
ローリエ 2枚
水 500cc 
砂糖 少々
塩、こしょう 少々
サラダ油 適量
粒マスタード 適量

[つくりかた]
1. 手羽先は水洗いし残っている毛は骨抜きで抜く。裏返し、骨の間に切れ目を入れておく。
2. 玉ねぎは1cmの輪切りに、人参、セロリはごろっと大ぶりに切っておく。
3. 玉ねぎは、片面にたっぷりの砂糖(3本の指で2つまみ程)と塩、こしょうを適量まぶす。
4. 大きめのフライパンにサラダ油を入れ、火をつけて温め、玉ねぎの砂糖がついた面を下にして焼き目をつける(中火で2分を目安に、あまり動かさないのがポイント)。焼き目がついたら裏返し、フライパンの空いたスペースに、にんにく一片、鶏の手羽先を入れ、皮目に焼き目をつける。
5. 人参、セロリ、ローリエ、水を入れて弱めの中火で15分、蓋をせずに加熱する。
6. 煮込み終えたら、最後にクレソンをスープの中で軽く加熱し、塩、こしょうで味を調える。器に盛りつけて粒マスタードを添える。

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プチットリュ
シェフの新屋健一さんとソムリエの麻衣子さん夫婦が営むレストラン。
県産しょくざいを使ったフレンチを沖縄の器で味わえる。
沖縄県那覇市那覇市松尾2-17-32 弥栄ビル1階
https://www.petiterue.jp/
〈Instagram〉petiterue_official

  • 文・ てるてるてるてる

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