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思わず行きたくなる、個性あふれる本屋さん

2022.12.21

ここ最近、沖縄では個性的な本屋さんが続々とオープン。ふだん、本を読む習慣のない人でも思わず興味を引かれて行ってみたくなる、そんな本屋さんを3店舗紹介します。(おきなわいちば79号のトピックでも紹介していますよ)

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まずは、今帰仁村で月に1日だけオープンする「はなうた書房」。営んでいるのは岐阜県出身のてしがわらひろこさん。お店にしている古民家は、大工もしているひろこさんの夫のテッシーさんが親方と二人でリノベーションしたもの。豊かな自然が見える大きな窓をしつらえ、室内の間仕切りをすべて取り払い、とても開放的な空間です。そんな心地良い空間を見た友人たちから「ここで何かするの?」と聞かれるうちに、自分でも新たに何かをしたいという気持ちがふくらみ、もともと本に携わる仕事をしていたこともあり、本屋を始めたとのこと。

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はなうた書房に並ぶ本は、大手書店では見ることが少ないかもしれない、ちいさな出版社から出版されている書籍が中心。てしがわらさんは本を選ぶときに、「贈り物にしたくなるもの」をテーマにしているとのこと。「実用書というよりは、本のつくり手のストーリーが感じられて、大切にずっと持っておきたくなる本を選んでいます。装丁やデザインにこだわっている書籍も多いですよ」と。編集者でもあるてしがわらさんが選んだ本は、実際に見てみると「なるほど確かに」と納得できるセレクト。随所にこだわりが見られて、眺めて、触って、ページをめくるのが楽しくなる本ばかり。実際に手に取って欲しい本が並んでいるので、ぜひお店に足を運んでみてください。

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ちなみに、お店では2匹のかわいい姉妹猫もお客さんをお迎えしてくれています。人懐っこくて、好奇心旺盛なあの2匹に会えるのも、お店を訪ねる楽しみの一つです。

●はなうた書房
今帰仁村玉城13
営業日:毎月23日 11:00〜18:00
〈Instagram〉@hana.uta.books




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2軒目の本屋さんは、大きくて存在感抜群、派手なイエローが目を引くアメリカのスクールバスを改装した「ブックパーラー 砂辺書架」。外観からは本屋さんと分からずに、「なんのお店?」とよく聞かれるとのこと。

「偶然が重なってスクールバスを改装した店舗になったんですが、通りすがりで興味を持って来てもらえるのがとても嬉しいですね」と店主の畠中沙幸さん。もともと本を読むことが好きだったのと、畠中さん自身がこれまでに本に救われたことが何度かあったことから、何かを理由に立ち止まっている人たちが本に救われる機会を作ることができたらと、本屋を始めたといいます。

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砂辺書架に置いているのは9割が古本。そしてそのほとんどが沖縄に関連するもの。昨年まで東京でサラリーマンをしていたという畠中さんは、大学時代をアメリカで過ごすなど、沖縄を外から見る機会も多かったそう。その中で、沖縄についていろいろと質問をされた時に、きちんと答えられないことに気づき、自分はもちろん、周りのウチナーンチュにも沖縄の豊かな文化や歴史について知ってもらえたらと思い、こうした品揃えに。その中でも畠中さんが特におすすめしたいのが絵本とのこと。

「絵本は子どもたちが自由に何度も読むので、良い状態を維持することが難しくて古本市場に出回ることはとても少ないんです。それなのでそもそも古本の絵本が貴重なのと、沖縄のことを小さな頃から知る機会を持って欲しいので、お店にきたらぜひ手にとって欲しいですね」

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本屋であるスクールバスが停めてあるのは北谷町砂辺の大きな空き地。今後はここでイベントの開催なども考えているとのこと。もとはこんな大きなスクールバスでお店をやる予定ではなかったことや、店舗ができるまでの改装にまつわるストーリーなど、砂辺書架が完成するまでにはワクワクするような出来事がいろいろと起こっています。そんな興味深い話は、実際にお店に訪れて、畠中さんに聞いてみてくださいね。

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●ブックパーラー砂辺書架
北谷町砂辺44
営業日:水〜土 11:00-14:00(年内) ※2023年から16:00まで営業
〈Instagram〉@bookparlor.shinabi




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そして最後の1店舗は、沖縄市のパークアベニューにオープンした「TABINEKO BOOKS」。ラジオパーソナリティーの堀家盛司さんが店主を務める本屋さんです。本屋ではあるものの、店舗入口のすぐ横に「TO GO」と書かれた小窓があるのは、軽食やクラフトビールやコーヒーが楽しめるカフェでもあるから。ここは堀家さん自身が「こんなお店があったらいいな」と思うものをすべて叶えた場所だといいます。

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「僕自身、コンサルティング会社も経営していまして、仕事が忙しい時期はなかなか帰れないこともあるんです。もともと本は仕事でもプライベートでも必要なものなんですが、忙しいと家に帰ってもただ寝るだけだったりと、本を読む時間を確保するのは難しいんですね。それは食事に関しても同じで。そこで、事務所と本を読む場所と、コーヒーやお酒を飲みながらゆっくりできる場所がぜんぶ同じところに揃えば、最高なんじゃないか、と思ったんです。このお店ができたことを一番喜んでいるのは自分かもしれません」

そう言って笑う堀家さんですが、お店をオープンしてから多くのお客さんに恵まれ、「同じように考えていた人たちが他にもいたんだなぁ」とちょっと嬉しくなったとのこと。


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お店では、店名にもなっている「旅」や「猫」に関する本をはじめ、料理や暮らしなどの生活に関するもの、そしてコンサルティング業ということもあり、さりげなくビジネスのヒントを学べるような本が置かれています。

「本は新しい世界に出会うことができる扉でもあるのかなって思うんです。そしてあらゆるジャンルをテーマにした本がある。本をパートナーみたいなものとして紹介していけたらなと思っています」

ここには、さまざまな出会いが待っていますよ。

●TABINEKO BOOKS
沖縄市中央2-6-44
営業日:木〜月12:00〜19:00(金、土〜22:00、日〜18:00)
〈Instagram〉@ tabineko.books

  • 文・ 山山山山

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