ホテルで味わう、琉球料理伝承人が作る会席料理
琉球王国時代から客人をもてなす料理として発展してきた「琉球料理」。沖縄ならではの食材や伝統的な調理法が用いられ、食事と医学的な治療はどちらも人の命を養い、健康を支えるものとする「医食同源」の考えが深く根付いています。
近年、沖縄県では琉球料理の継承と普及・保存を目的に、料理人の育成に力を入れており、琉球料理を楽しめるレストランも増えています。そのひとつが、那覇市・国際通りにある「ホテル コレクティブ」のレストラン「碧海庭」。沖縄県が認証する「琉球料理伝承人」の資格を持つ料理人が手がける和琉会席を提供しています。
「豊かな自然の中で育った沖縄食材は栄養価の高い物が多く、料理も体に優しいものばかり。食材それぞれが持つ特徴を深く理解し、それを最大限に引き出すことが私の仕事です」と語るのは、日本料理部門の料理長であり、琉球料理伝承人の上原功さんです。
「碧海庭」では、「デイゴ」「サンダンカ」「アカバナー」の3つの会席料理コースが用意されています。中でも最上級コース「デイゴ」では、琉球王国時代に宮廷料理として珍重されていた希少な食材「イラブー」を使った料理を堪能できます。
※イラブーは、沖縄の方言でウミヘビの一種、イラブウミヘビのことを指します。
「イラブーは入手が難しく、調理にも手間がかかるため、沖縄でもなかなか食べる機会がありません。しかし、滋養強壮や疲労回復に効果があるとされ、沖縄食材の中でも特に栄養価の高い食材なので、身だけではなく、調理の際に出る出汁を使った餡やスープまで楽しんでいただけると嬉しいですね」と上原さん。
「デイゴ」で提供している煮物は、イラブーの下処理も含めると完成までに5日もの時間を要するそうです。燻製にしたイラブーを泡盛や昆布だしとともにじっくり煮込んでいるので、身はほろりと崩れるほどやわらかく、骨までおいしく食べられます。濃厚な鰹節のような香りが食欲をそそります。
上原さんが特にこだわったのが、イラブーそのものの姿を見せること。
「以前、イラブーの身を潰してつみれにして、汁物料理として提供したこともありましたが、その方法ではイラブーの姿をお客様にしっかり見てもらうことができませんでした。イラブーの原型を崩さず、素材そのものの美しさを伝えることに苦労しました。この料理を通じて、もっと多くの人にイラブーの魅力を知ってもらいたいと思っています」
塩漬けした豚肉(アグーの三枚肉を使用)のスーチキー。冬瓜、パプリカ、青菜が添えられている
一つひとつの食材と向き合い、沖縄の伝統料理を作る上原さん。「デイゴ」では、イラブー以外にも、大量の塩で約2週間漬け込んだ豚肉のスーチキーや、ミミガー(豚の耳)の和え物、地元農家が育てた紅芋を使った揚げ物のほか、近海で獲れたメバチマグロやグルクン、セーイカなど新鮮な魚介を活かした料理を含む、11品が味わえます。
また、豊かな食材を活かした琉球料理を、さらに楽しみたい方におすすめなのが泡盛。「オールデイダイニング」では、泡盛マイスターが県内12の酒造所から厳選した、新酒の爽やかな香りと古酒の奥深い風味を味わえる飲み比べセットをご用意。琉球料理との絶妙なペアリングを、ぜひお楽しみください。
DATA
【和琉会席】
デイゴ 12,000円 (全11品)
※1日限定5食/要予約制(5日前)
サンダンカ 9,000円 (全12品)
※1日限定5食/要予約制(3日前)
アカバナー 7,000円 (全12品)
※1日限定5食/要予約制(3日前)
※上記金額にはサービス料10%及び消費税が含まれております。
【泡盛3種飲み比べ 】
泡盛マイスターが厳選した泡盛3種飲み比べセット
那覇の酒造所を巡る飲み比べ ¥2,000
熟成の違いを愉しむ飲み比べ ¥2,000
県内人気酒造所を巡る飲み比べ ¥1,800
造りの違いを愉しむ飲み比べ ¥1,800
ホテル コレクティブ
沖縄県那覇市松尾2-5-7
https://hotelcollective.jp/