小さな宿で楽しむ 沖縄の冬

2022.12.01

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沖縄で冬にしか出回らず、「まぼろしのミカン」と呼ばれる『トゥークンブ』。かつては盛んに栽培されていましたが、現在は各地に数本程度しか残っていない希少なもの。香りが良く、薬膳としても用いられるなど、沖縄で愛され、重宝されてきた果実です。そんなトゥークンブを使ったフルコースランチがこの冬、恩納村にあるペンションウィークエンドに初お目見え。まぼろしのミカンを味わいに、出かけてみませんか?

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トゥークンブは、琉球王国時代に中国から伝わったことから「トゥー(唐:中国)」「クンブ(沖縄方言でミカン)」と呼ばれるようになったそう。300年ほど前に沖縄へ、それから日本本土へと伝わったと言われています。和名は九年母(くねんぼ)と言い、温州ミカンや八朔(はっさく)も、元をたどればこのトゥークンブだったとか。沖縄では名護市羽地地区で多く生産されていたことから「羽地ミカン」の名でも親しまれています。

トゥークンブの一番の魅力は、その皮にあると言われ、厚めの皮をむくとふわりと広がるのは甘酸っぱい爽やかな香り。皮にはほのかな甘味があり、かつては乾燥させて煎じたり、泡盛に漬けて咳止め薬として飲まれることもあったそう。

もちろん果実も食べることができ、搾ってフレッシュジュースとして楽しんだり、煮詰めてジャムにしたり、肉料理のソースにしても、その香りと一緒に味わうことができます。

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そんなトゥークンブの魅力を多くの人に伝えたいと、今回フルコースランチを考え出したのが、ペンションウィークエンドの伊波さん。「農学系の公務員をしていた父が生前、トゥークンブのことを『これはいいミカンなんだけどね〜。もっと広まらないかね〜』と言っていたんです。このおいしさをもっと多くの人に知ってもらえたらと思って、フルコース料理を思いつきました」と話してくれました。

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ペンションウィークエンドはグリーンの屋根と三角の出窓が目印の洋風造りのB&Bスタイルの宿。1985年に恩納村希望ヶ丘でオープンし、豊かな自然の中で美しい恩納村の海を眺めながらゆっくりと過ごすことができるほか、地元の農家さんや大宜味村で親戚が育てた野菜など、沖縄産の食材をふんだんに使った料理も楽しめます。

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「トゥークンブのフルコースランチ」が食べられるのは、今年12月から来年(2023)年2月まで。爽やかな香りと甘みのあるトゥークンブをドレッシングに使ったサラダをはじめ、ソースに使ったお肉料理、デザートまで、たっぷりとその味と香りを楽しめるコースです。

また、フルコースランチのほか、期間限定で名護市の中山コーヒー園でのコーヒーの収穫と焙煎体験も楽しめる宿泊プランや、沖縄の地ブドウ『リュウキュウガネブ』の観察とジャム作りの体験つき宿泊プランもあるとのこと。詳しくはお問い合わせを。

この冬だけのおいしさを味わいに、出かけてみませんか?

◉INFORMATION◉
トゥークンブフルコースランチ
1日1組(2名〜6名)限定、完全予約制。2,500円/1名(税込)
電話予約:098-967-8959  ※予約は2日前までにお電話にて。
※宿泊の方はディナーとしても提供可能です。

洋風民宿ペンションウィークエンド
沖縄県恩納村名嘉真2288-315
TEL 098-967-8959
1泊朝食付き6,000円/1名〜
〈Instagram〉pensionweekend

  • 文・ 編集部編集部

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