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さとうきびのバガスから生まれた「アップサイクルかりゆし」で沖縄と地球にいいこと

2021.07.07

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今やビジネスシーンだけでなく、冠婚葬祭にも欠かせないかりゆしウェア。年間40万着も生産されており、毎年買い換えるという県民もいるだろうし、県外の人でも仕事用や旅行の思い出にと買ったことがある人もいるかもしれない。けどそのかりゆしウェア、タンスの肥やしになっていたりしないだろうか。

語呂合わせで「ゴミゼロの日」に認定されている5月30日、循環型製品を販売している人・企業が、その生産プロセスや作り手に対する持続可能性について評価・認定を受けるための新しいアワード「CHOICE ZERO WASTE AWARD」発表され、その第1回の認定商品として株式会社Rinnovationが開発した「アップサイクルかりゆし」が認定された。

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アップサイクルかりゆしの何が評価されたかというと、まずこのかりゆしウェアが、沖縄県の基幹産業であるさとうきびの搾りかす「バガス」を活用して開発された生地で作られているということ。搾汁後すぐに乾燥・粉末加工したバガスは、岐阜県美濃市でマニラアサと合わせて和紙に加工され、糸に生成される。そして広島県福山市でバガス和紙糸とcotton USA (持続可能な綿栽培で作られる世界から信頼されるコットン)で生地を織布し、沖縄県内の職人の手によってかりゆしウェアに仕立てられるのだ。

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次の評価ポイントは、販売の方法。一般的なかりゆしウェアのように量販店などで販売するのではなく、県内のホテルと協力してシェアリングサービス「Bagasse Upcycle」を提供しているのだ。ビジネスや観光で沖縄滞在時だけの着用になってしまいがちなかりゆしウェアを、「買う」のではなく「シェア」することで、必要な分だけ生産し、また廃棄されるまでの製品寿命を最大限に伸ばせるという取り組みになっている。

また、最終的に使い終えた製品や製造過程で出た糸くずなどは、廃棄して焼却するのではなく、「炭化」するという。炭化は焼却に比べてCO 2の排出量が抑えられるだけでなく、出来上がった炭は土壌改良剤としてさとうきび農家に還元することができる。さとうきび畑から生まれた繊維が、商品になり、その寿命を終えたらまた畑へ還り、新しいさとうきびが生産される。こうしたさとうきび産業におけるサーキュラーエコノミーの確立を、アップサイクルかりゆしは目指しているのだ。

ちなみに、アップサイクルかりゆしにはICタグが取り付けられているのでトレーサビリティが確保されており、今後はどれくらい環境負荷軽減につながったかを可視化し、ホームページ上でも公開していく予定だという。

これから服を選ぶときは、デザイン性や機能性に加えて、「持続可能性」も考慮できたら、沖縄のさとうきび産業だけでなく、地球にとっても、いい未来につながるかもしれない。

※「アップサイクルかりゆし」はSHIMA DENIM WORKSにて購入も可能です。

[問い合わせ]
SHIMA DENIM WORKS TEL:098-988-3100 https://shimadenim.com/
Bagasse upcycle https://bagasse-upcycle.com/

  • 文・ 5858

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