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沖縄のアメリカ統治時代に建築されたアパートの  リノベーション内覧会開催!

2021.03.09

沖縄の気候風土や文化を生かした「沖縄らしいデザイン」の継承・発展を目指すArts&Crafts沖縄事務所。建築のリノベーション企画や設計、施工のほか、宿泊施設の企画や運営まで幅広く手がけている。そんなArts&Craftsが、1971年に建築されたアパートのリノベーションを完成させ、その内覧会を今週の12日(金)、13日(土)の日程で開催する。

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注目すべき点は、今回リノベを行った物件がアメリカによる沖縄統治時代に建てられた鉄筋コンクリート造アパートということ。実は沖縄県では1972年の本土復帰前後から建築ラッシュが続き、十分に塩分が除去されていない海砂がコンクリートに使用されていたケースが少なくない。そういった建物が今まさに危険な状態に陥っているという。

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今回手がけた建物もその一例で、構造躯体の劣化が進行し鉄筋の露出やコンクリートの剥落が見られる状態だった。その対応策として、アラミドシートという高強度な繊維を用いて補修・補強を行い、電気、ガス、給水のインフラ設備も一新したという。

「新築同様に戻すのはなく、既存の良さを生かすということを大切にしています。例えば沖縄の昔ながらのタイルが残る壁は壊さずに、綺麗に塗装して息を吹き返してあげる。古い建物にしか出せない味わいって絶対にあるので、それをいかに引き出して今の市場に合ったかたちで表現するか、そこがミソなんです」と話すのは物件を担当した塩谷昌洋さん。建築された時代の面影を壊さずに、現代にもフィットするスタイルでリノベーションすることを心がけているそうだ。

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鉄筋コンクリート造の建物は、建築時に不適切な材料が用いられていたり、メンテナンスを怠れば数十年で劣化が進行しまう。けれども、適切に維持管理を行えば100年以上も持つといわれている。現在、沖縄にある鉄筋コンクリート造の建物の中には、危険な状態のままで使用されていたり、解体費や手間がかかることから放置されている建物も少なくないという。そういった建物もしかるべき素材や方法を用いてリノベーションすることで長期的に使い続けることができるのだ。その一事例を公に示す場として、今回内覧会の開催に至った。

当日は事前予約で、担当者によるプロジェクトの詳細説明や個別に所有不動産のリノベーション相談も受け付けているのだそう。
この機会に本土復帰以前の沖縄に想いを馳せながら、リノベの可能性を肌で感じてみては。

○内覧会
日程:3月12日(金)、13日(土)
時間:各日13:00-16:00
場所:那覇市泊1-13-6
※車でお越しの場合は近隣のコインパーキングをご利用ください。
HP:https://www.a-crafts.co.jp/blog/?p=15338

  • 文・ こぶたのスーこぶたのスー

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